シューツリー(シューキーパー)おすすめ4選──¥2,690から、革靴を長持ちさせる選び方
シューツリーは値段より「靴に合っているか」で効き目が決まる。無印良品のレッドシダー¥2,690から、コロニル¥5,940、コルドヌリ・アングレーズ¥18,700まで、靴職人を20年取材してきた私が、シューキーパーとの違い、サイズとフィットの見方、入れるタイミング、高い靴に純正ツリーが要る理由を書く。
田島 啓介 ファッションエディター
公開: 2026年10月10日 更新: 2026年10月10日
PR 本記事には、楽天市場などの商品ページへのアフィリエイトリンクを含みます。リンク経由で購入された場合、当サイトに紹介料が支払われることがありますが、掲載の可否や評価には影響しません。PR表示について
「靴に10万円かけたんですが、シューツリーって、本当に要ります?」
銀座の靴店で取材をしていたとき、隣でこう尋ねる客がいた。店主は少し笑って、こう返した。「10万円の靴を持っているなら、なおさらです。ツリーを入れない靴は、3年で甲が割れますよ」。
20年、靴職人の工房とオーダースーツ店を取材してきたが、この店主の言い方は誇張ではない。修理に持ち込まれる靴の多くは、ソールより先に甲の履きジワから割れている。そして、その靴の持ち主の大半が、シューツリーを使っていなかった。
ただ、ツリーなら何でもいいわけでもない。このページでは、シューツリーとシューキーパーの違いから、価格帯別の4本、靴に合うかどうかの見方、入れるタイミング、高い靴に純正を勧める理由までを順に書く。価格はいずれも2026年10月時点で、各ブランドの公式サイトと正規取扱店で確かめたものだ。

シューツリーとシューキーパーは同じもの?──呼び方の違いと、本当の違い
先に言葉を整理しておく。
店やメーカー、記事によって呼び方はまちまちで、多くの場合「シューツリー」と「シューキーパー」は同じ道具を指している。無印良品は「シューキーパー」、コロニルは「シュートゥリー」と呼んでいるが、どちらも木製の木型だ。
区別して使う人もいて、その場合はこう分ける。
| 呼び方 | 中身 | 素材 | 価格 | 向いている使い方 |
|---|---|---|---|---|
| シューツリー | 靴の内側の形に沿った立体的な木型 | 木(レッドシダー、ブナ等) | 数千円〜2万円前後 | 自宅で毎日 |
| シューキーパー | バネで靴を内側から押し広げる簡易型 | プラスチック、金属 | 数百円〜数千円 | 旅行・出張 |
呼び方より大事なのは、木製かどうかだ。型崩れを防ぐだけならプラスチックでもできるが、湿気を吸ってくれるのは木だけだからだ。この記事では、以下「シューツリー」で統一する。
シューツリー おすすめ4選──価格帯別に
順位は「靴に合わせやすく、木の効きが確かな順」にした。
| 順位 | 製品 | 素材 | 特徴 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | コルドヌリ・アングレーズ FA85S | 木製 | ツイン式・つま先が割れて靴に沿う | ¥18,700 |
| 2位 | コロニル アロマティックシーダーシュートゥリー | レッドシダー | S・M・Lの3サイズ | ¥5,940 |
| 3位 | 無印良品 レッドシダーシューキーパー | レッドシダー | 23〜25cm/25〜28cm | ¥2,690/¥2,990 |
| 4位 | コルドヌリ・アングレーズ EM500E | 木製 | ロングノーズの靴向け | ¥17,600 |
※価格は税込。無印良品とコロニルは各公式サイト、コルドヌリ・アングレーズはサフィール公式ショップ(Prime Avenue)の2026年10月時点の価格。販売店によって価格が異なることがある。
1位 コルドヌリ・アングレーズ FA85S──いい靴に入れる、最初の一本
コルドヌリ・アングレーズは、靴好きのあいだで「迷ったらこれ」と言われることの多いシューツリーのブランドだ。FA85Sはその代表作で、前後の二本の棒で支えるツイン式のため、靴の中で前後にぶれにくい。つま先が二つに割れたスプリット型で、靴の形に合わせて左右に開いて沿う。
1位にしたのは、合わせられる靴の幅が広いからだ。ストレートチップでもUチップでも、たいていの紳士靴にきれいに収まる。サフィール公式ショップでの価格は¥18,700。より細かく調整できるネジ式のEMFA85CHもある。
2位 コロニル アロマティックシーダーシュートゥリー──価格と効き目の釣り合いがいちばん良い
ドイツの靴ケアブランド、コロニルのレッドシダー製シューツリー。公式価格は¥5,940で、銀座ワシントンの公式サイトでも同じ価格で扱われている。サイズはS・M・Lの3種類。
レッドシダーの香りが強く、履いた後の靴の匂いがはっきり和らぐ。手持ちの靴の2足目、3足目にもツリーを揃えたい人には、この価格帯がいちばん現実的だ。
3位 無印良品 レッドシダーシューキーパー──全部の靴に入れるための一本
公式価格は23〜25cm用が¥2,690、25〜28cm用が¥2,990。この価格でレッドシダーの湿気取りと消臭が手に入る。
形の作り込みは上の二本に及ばず、高い靴に入れるとつま先や甲の当たりが甘く感じることはある。それでも、ツリーを入れない靴を1足も残さないことのほうが、1足に高いツリーを入れることより効果は大きい。普段履きの靴すべてに入れる一本として、これ以上の選択はない。
4位 コルドヌリ・アングレーズ EM500E──つま先の長い靴のために
ロングノーズ、つまりつま先がすっと長く伸びた靴向けのモデルで、サフィール公式ショップでの価格は¥17,600。汎用のツリーをロングノーズの靴に入れると、つま先の先端まで木が届かず、そこだけ形が崩れていく。手持ちに先の長い靴があるなら、その靴にはこれを当てたい。同ブランドにはローファー向けのEM97CAHもある。
合わないツリーは、靴を壊す──サイズとフィットの見方
ここが、ツリー選びでいちばん見落とされる点だ。
大きすぎるツリーは革を伸ばしすぎ、小さすぎるツリーはシワを伸ばせない。 どちらも、入れていないのと大差ないか、かえって形を崩す。表記サイズは目安にすぎず、実際の靴に入れて次の三点を確かめてほしい。

- 甲の履きジワが伸びているか。ツリーを入れた状態で、甲に寄ったシワが平らになっていれば合っている
- 足幅のいちばん広い部分(ボールガース)が内側から張っているか。ここがゆるいと、横に広がったシワが残る
- かかとを面で捉えているか。かかとの内側にツリーの後部がしっかり当たり、アッパーとの間に隙間がないこと
靴職人に聞くと、迷ったときは「わずかに張りを感じる程度」を選ぶのがいいという。靴をきつく伸ばしたいわけではなく、履いていたときの足の形に戻してやるのがツリーの役目だからだ。
素材で選ぶ──レッドシダー、ブナ、プラスチック
| 素材 | 湿気を吸う | 消臭 | 重さ | 向いている使い方 |
|---|---|---|---|---|
| レッドシダー | ◎ | ◎ 香りが強い | 軽い | 自宅で毎日(第一候補) |
| ブナ | ○ | △ | やや重い | 価格を抑えたいとき |
| プラスチック | ✕ | ✕ | とても軽い | 旅行・出張 |

自宅で使うなら、まずレッドシダーを勧める。湿気を吸い、匂いを抑え、カビも寄せつけにくい。ブナは価格を抑えやすいが、湿気を吸う力と消臭では一歩譲る。プラスチックは湿気を吸わないので、旅先で形を保つための道具と割り切ったほうがいい。
いつ入れて、いつ外すか
私が取材した職人の多くは、脱いだらすぐに入れると答えた。理由は二つある。
- 革がまだ温かく柔らかいうちのほうが、履きジワが伸びやすい
- 木が湿気を吸えるのは、靴が汗で湿っているうちだから
少し置いて湿気を飛ばしてから入れる、という人もいる。どちらでも、その日のうちに入れることのほうがずっと大事だ。入れたら翌朝まで、その靴を休ませる日も入れたままで構わない。
例外は雨に濡れた靴だ。水気をたっぷり含んだまま木を入れると、乾きが遅れてかえって型崩れやカビの原因になる。新聞紙を詰めて水気をある程度抜いてから、ツリーに替える。手入れ全体の流れは革靴の手入れにまとめた。
高い靴ほど、純正のツリーを
ジョンロブやエドワードグリーンのような靴は、それぞれ固有の木型(ラスト)で作られている。そして多くのブランドが、そのラストに合わせた純正のシューツリーを用意している。
汎用のツリーでも型崩れは防げる。ただ、つま先の形、甲の高さ、かかとの丸みまで、その靴のために削られた木型は、当たり方がまるで違う。ロングノーズやスクエアトウのように形に特徴がある靴ほど、汎用品では合わない部分が出やすい。
中古でジョンロブを手に入れたなら、なおさらだ。前の持ち主の足の癖が残った靴を、自分の足の形に整え直すには、純正のツリーがいちばん確実だ。中古の選び方はジョンロブの中古とエドワードグリーンの中古に書いた。
最後に──木型は、靴を休ませる道具
冒頭の店主は、こうも言っていた。「靴は、履いている時間より休んでいる時間のほうが長い。その休ませ方で寿命が決まるんです」。
¥2,690の無印良品でも、入れるのと入れないのとでは、3年後の甲の割れ方がまるで違う。いい靴を1足買ったら、まずはその靴の数だけツリーを揃えてほしい。高いツリーを1本買うより、全部の靴に1本ずつ入れるほうが、靴は長く持つ。
参考資料
- コロニル公式 アロマティックシーダーシュートゥリー — 仕様・サイズ展開・価格
- 無印良品公式 レッドシダーシューキーパー — サイズ展開と価格
- ShoesLife Store コルドヌリ・アングレーズ FA85S — 構造(ツイン式・スプリット型)
- サフィール公式ショップ シューキーパーの選び方 — 素材と選び方の解説
次に読む
- 革靴の手入れ:ツリーと組み合わせる、日々と月々の手入れ
- ジョンロブの中古:純正ツリーと合わせて選びたい一足
- エドワードグリーンの中古:英国靴の名門を中古で手に入れる
- 名刺入れ メンズ ブランド5選:同じく、手入れで20年持つ革小物
「大人の趣味」では、本物志向の道具と長く付き合う知恵を、専門家5名が綴っています。編集方針はこちら。
よくある質問
- Q. シューツリーとシューキーパーは何が違うのですか?
- 多くの店や記事では同じ道具を指す言葉として使われています。区別する場合は、靴の内側の形に沿った木製の立体的な木型をシューツリー、プラスチックや金属のバネで靴を内側から押し広げる簡易なものをシューキーパーと呼ぶことが多く、価格はシューツリーのほうが高くなります。革靴の型崩れ防止と湿気取りを両方期待するなら、木製のシューツリーを選んでください。
- Q. シューツリーは本当に必要ですか?
- 本革の靴を長く履くつもりなら必要です。履いた直後の靴は汗を吸って湿り、甲には深い履きジワが寄っています。木製のシューツリーを入れると、木が湿気を吸い、シワを内側から伸ばした状態で革が乾きます。これを繰り返すかどうかで、甲の割れやつま先の反り上がりが出る時期が大きく変わります。安い靴でも、1足目から入れる価値はあります。
- Q. シューツリーのサイズはどう選べばいいですか?
- 表記サイズは目安にとどめ、実際の靴に入れて確かめるのが確実です。見るべきは三点で、甲の履きジワが伸びているか、足の幅がいちばん広い部分(ボールガース)が内側から張っているか、かかとを面で捉えているか。アッパーとツリーの間に隙間ができるものは、サイズが合っていません。迷ったら、きつすぎるより、わずかに張りを感じる程度を選びます。
- Q. シューツリーはいつ入れて、いつ外せばいいですか?
- 靴を脱いだら、なるべく早く入れるのが基本です。革がまだ温かく柔らかいうちのほうがシワが伸びやすく、木が湿気を吸えるのも靴が湿っているうちだからです。翌朝まで入れておき、その靴を休ませる間も入れたままで構いません。ただし雨で濡れた靴は、新聞紙などで水気を取ってから入れます。
- Q. 高い靴には純正のシューツリーを使うべきですか?
- ジョンロブやエドワードグリーンのように木型(ラスト)の形がはっきりした靴なら、純正を勧めます。そのラストに合わせて作られているので、つま先から甲、かかとまでの当たりが違います。汎用のツリーでも型崩れは防げますが、ロングノーズやスクエアトウのように形に特徴がある靴ほど、汎用品では合わない部分が出やすくなります。
About the author
田島 啓介
ファッションエディター・メンズファッション取材 20年
銀座・青山のオーダースーツ店、有名靴職人への取材歴20年。革製品の経年変化研究家。「直すことを前提に買う」が口癖。
Editor's note
編集後記とエッセイは、note で。
サイト本編に書ききれなかった編集現場の話、取材で出会った職人たちのエピソード、執筆陣の30年・20年の所有歴。 サイトとは別の温度の話を、note でゆっくり綴っています。