ロレックス 狙い目モデル 2026──定価上昇局面で選ぶ現行9モデルの順位表
2026年の狙い目はエアキング(Ref.126900・定価¥1,208,900)だ。中古実勢136万円前後で、定価への上乗せが現行で最も小さい。定価は1月と6月の二度上がり、実勢はピーク比15〜25%下──このねじれが狙い目を作る。30年で40ブランドを買ったコレクターが現行9モデルを順位づけした。
川村 篤志 時計評論家 / コレクター歴30年
公開: 2026年9月8日 更新: 2026年9月8日
はっきり書く。2026年に「相場が下がるのを待つ」という判断は、もう合理的ではない。
先日も相談を受けた。「もう少し下がってから買おうと思って、2年待っています」──その2年でロレックスの国内定価は二度上がった。待っていた分だけ、買うべき値段が上がっている。
私は30年で40以上のブランドを買い、いまも20本を使っている。その経験から言えば、いまのロレックス市場は「崩れてもいないが、天井も抜けていない」高原状態だ。定価だけが毎年上がり、中古実勢はピークから15〜25%低いところで横這っている。この二つが近づいているというのが、2026年9月時点の正確な景色である。だからこの記事は「待つか買うか」ではなく、「いまどの型を狙うか」に絞って書く。
入手性・価格の落ち着き・満足度の3軸で現行9モデルを順位づけし、上位の理由と、いま狙うべきでないモデル、そして正規で狙うか中古で狙うかの判断まで示す。すべての定価は2026年6月改定後の国内価格(税込)、中古実勢は執筆時点で大手販売店・買取店の公表値を複数突き合わせた数字だ。
先に棲み分けを書いておく。人生で最初のロレックスを、買いやすさと満足度から選びたい人はロレックス 初めての一本へ行ってほしい。あちらは「一本目の採点表」だ。**この記事はタイミングの話である。**同じモデルを扱っても、判断の起点が「初めてか」ではなく「いまの相場でどれが割に合うか」になる。二本目でも五本目でも、狙い目という問いには同じ答えが出る。

2026年の相場環境──定価は二度上がり、実勢は天井から下げている
狙い目を語る前に、地面の傾きを確認しておく。
**まず定価。2026年はロレックスが年内に二度、国内定価を改定した。**1月の改定でステンレスモデルを含む広い範囲が上がり、6月の改定はゴールド使用モデルが主対象で、イエローロレゾールやエバーローズロレゾールが2.5%前後、金無垢が約5%という幅だった。デイトナ126500LNの定価推移を見ると分かりやすい。2024年6月に¥2,176,900、2025年1月に¥2,349,600、2026年1月に¥2,499,200。2年で32万円上がっている。
この改定の結果、価格帯の下限がはっきり動いた。**100万円を割る現行モデルは、36mm以上のサイズではオイスターパーペチュアル36(Ref.126000)の¥996,600ただ一本になった。**31mmの¥930,600を別にすれば、これが下限だ。「ロレックスは100万円から」という感覚は、2026年にはもう成立しない。実質のエントリー価格は99万円台後半で、そこから上は110万円台、120万円台と階段が続く。
**次に実勢。**中古相場は2022年春のピークから調整局面に入り、ピーク比で約15〜25%低い水準にある。投機資金の流出、正規店の購入制限強化、中古市場への供給増が重なった結果だ。指数ベースで見ると過去2年でサブマリーナが約12%、GMTマスターIIが約10%、デイトナが約7%の下落となっている。
ただし、ここで正直に書いておくべきことがある。**「全部が下がり続けている」わけではない。**デイトナ126500LNは2026年8月時点で前月比プラス1.6%、前年同月比プラス24.5%という上昇局面にあり、ペプシ(126710BLRO)やヴィンテージのように希少性で高値を維持している品番もある。方向は品番ごとに分かれる。相場を語るときに「ロレックスは下がっている」と一括りにする言い方を、私は信用しない。
そして為替。円安が進むと正規の定価が上がり、中古の割安感が増して相場を押し上げる。逆に円高局面では輸入コストが下がり、中古相場には下押し圧力がかかる。2026年はこの円高側の圧力が効いている局面だ。
**この三つを重ねると、狙い目の正体が見えてくる。定価は上に動き、実勢は横ばいから下。つまり定価と実勢の差=プレミアムが縮んでいる。**中古市場で取引されるロレックスの約3分の2はいまも定価超えで売買が成立しているが、その「超え幅」が薄くなっている品番が確実にある。狙い目とは、この超え幅が最も薄いところのことだ。
各モデルの定価そのものを一覧で押さえたい人はロレックス定価一覧【2026】を分母として使ってほしい。以下の順位づけは、その分母に対して実勢がどれだけ上に乗っているかを見ている。
狙い目ランキング──現行9モデルを3軸で順位づけした
採点の軸は三つに絞った。
**第一に、入手性。**正規店で定価購入を狙えるか。2026年の購入制限では、デイトナ126500LN、サブマリーナ124060・126610LN・126610LV、GMTマスターII 126710BLNR・126720VTNRが1年間の制限品番に指定されており、これらを買うと他の指定モデルを1年間購入できない。それ以外は原則6か月。この指定の内外は、入手性を大きく分ける。
**第二に、価格の落ち着き。**中古実勢が定価からどれだけ上に乗っているか。狙い目という言葉の中身は、ほぼこれで決まる。上乗せが小さいほど、正規を待たずに中古で確定させる判断が取りやすい。
**第三に、満足度。**10年使ったときの飽きにくさと汎用性。ここはコレクター歴30年の主観が最も強く入るが、逆に言えば数字では絶対に出ない部分でもある。
| 順位 | モデル(型番) | 2026年定価 | 中古実勢 | 定価との差 | 正規の現実性 | 狙い目度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | エアキング(126900) | ¥1,208,900 | 121〜137万円 | +0〜17万円 | 6か月制限・在庫は回る | A |
| 2 | エクスプローラー36(124270) | ¥1,177,000 | 約150万円 | +32万円 | 6か月制限・現実的 | A |
| 3 | デイトジャスト36(126200) | ¥1,208,900〜1,241,900 | 127〜158万円 | +11〜37万円 | 6か月制限・現実的 | A− |
| 4 | オイスターパーペチュアル36/41(126000/134300) | ¥996,600/¥1,045,000 | 定番色は定価前後、特殊色190〜290万円 | 色で激変 | 6か月制限・色を選べば可 | B+ |
| 5 | エクスプローラーII(226570) | ¥1,576,300 | 約223万円 | +65万円 | 6か月制限・やや難 | B |
| 6 | ヨットマスター40(126622) | ¥1,960,200 | 約269万円 | +73万円 | 6か月制限・難 | B− |
| 7 | サブマリーナ デイト(126610LN) | ¥1,683,000 | 210〜250万円 | +42〜82万円 | 1年制限・ほぼ不可 | C+ |
| 8 | GMTマスターII(126710BLNR/BLRO) | ¥1,747,900/¥1,780,900 | 約300万円/370〜390万円 | +125〜212万円 | 1年制限・ほぼ不可 | C |
| 9 | デイトナ(126500LN) | ¥2,499,200 | 中央値561万円 | +311万円 | 1年制限・不可に近い | C− |
※定価は2026年6月改定後の国内価格(税込)。デイトジャスト36とGMTマスターIIの定価幅はブレスレット仕様(オイスター/ジュビリー)の差。中古実勢は2026年前半から9月にかけての大手販売店・買取店の公表値と成約実績を突き合わせた範囲
**この表で最も注目してほしいのは、1位と9位の「定価との差」の桁が違うことだ。**エアキングは上乗せが0〜17万円、デイトナは311万円。時計としての格は明らかにデイトナが上だが、狙い目という問いに対しては、この311万円が答えを決めてしまう。
1位から3位の理由──エアキングが最上位に来る理由
**1位・エアキング(Ref.126900)。**この順位は、私自身も採点しながら少し意外だった。
定価は¥1,208,900。対する中古の平均が137万5,601円、中央値が136万4,000円。さらに状態ランクBの成約では121万5,400円〜123万4,900円という実例がある。**つまり、状態に目をつぶれば定価とほぼ同じ金額で中古が買える。**現行のプロフェッショナルモデルで、これができるのはエアキングだけだ。買取相場も未使用140万円・中古130万円という水準で、価格が定価の周辺に張り付いている。
なぜこうなるか。理由は人気の偏りだ。エアキングは2022年に126900へ更新され、ケース径40mm、Cal.3230、70時間パワーリザーブ、100m防水と中身は現行世代そのものなのに、投機の対象になりきらなかった。5・15・25という独特の分目盛りと3・6・9の大きなインデックスは、好き嫌いが割れる。この「割れる」が、価格の落ち着きを生んだ。
コレクター側の視点で言えば、これはむしろ好条件だ。定価水準で買えて、Cal.3230という現行最新世代の心臓を積み、しかも街で被らない。10年使う前提なら、被らないことの価値は年々増していく。モデルとしての中身はロレックス エアキングに細かく書いた。
**2位・エクスプローラー36(Ref.124270)。**定価¥1,177,000に対して中古実勢が約150万円。上乗せは32万円で、率にして約27%。買取相場は未使用155万円・中古140万円という水準にある。
エアキングとの差は満足度ではなく、上乗せの32万円だ。逆に入手性では、エクスプローラー36のほうが安定している。1年制限の指定から外れており、正規店で在庫に出会う可能性が現実的に残っている数少ないスポーツモデルだ。36mmという寸法は、スーツの袖にも短パンにも収まる。10年使ったあとに「サイズが合わなくなった」と言い出す確率が、現行ラインで最も低いのがこの一本だと思っている。
**3位・デイトジャスト36(Ref.126200)。**定価は¥1,208,900(オイスターブレス)から¥1,241,900(ジュビリーブレス)。中古は平均157万9,224円・中央値151万8,000円だが、仕様を選べば話が変わる。ブルー文字盤・ジュビリーの組み合わせでは新品参考価格が約136万円、中古が約127万円という実例がある。つまり文字盤とベゼルの組み合わせを絞れば、上乗せを11万円台まで圧縮できる。
これがデイトジャストの特徴だ。文字盤・ベゼル・ブレスの組み合わせが膨大にあるため、人気の集中が分散する。狙い目を探すなら、フルーテッドベゼル+定番色ではなく、少し外した組み合わせを見に行くほうが安い。同じ定価のモデルで30万円の差が出るなら、それは相場ではなく探し方の問題だ。
4位以下と、いま狙うべきでないモデル
**4位・オイスターパーペチュアル36/41。**定価¥996,600と¥1,045,000で、現行の下限を担う二本だ。狙い目度をB+に留めたのは、色による相場の暴れが激しすぎるからである。
2026年夏の成約実績では、126000のターコイズブルーが新品255万円、コーラルレッドの中古が220万円、多色ダイヤルの新品が290万円という価格が付いている。**定価99万円台の時計に、190万円から290万円が付く。**これは狙い目ではなく、色そのものが投機対象になっている状態だ。逆に黒・シルバーといった定番色を選べば定価前後で収まる。同じ型番で3倍の値差が出るモデルは、「型番で狙う」ことができない。色を決めてから相場を見るしかない。
**5位・エクスプローラーII(226570)と6位・ヨットマスター40(126622)。**エクスプローラーIIは定価¥1,576,300に対して新品実勢が約223万円、上乗せ65万円。ヨットマスター40は定価¥1,960,200に対して中古が約269万円で、上乗せ73万円。どちらも1年制限の指定外だが、正規店の在庫が回りにくく、中古の上乗せが60万円台から70万円台に乗る。**中間帯というのは、狙い目としては最も判断が難しい場所だ。**正規を待つ根拠も薄く、中古で確定させる割安感も薄い。この二本は「どうしてもこの機能が要る」人だけが買えばいい。ヨットマスターのプラチナベゼル、エクスプローラーIIの24時間針。目的が先にある人には、上乗せ70万円は妥当な対価になる。
そして7位から9位。ここが本題だ。
サブマリーナ デイト126610LNは定価¥1,683,000に対して中古210〜250万円。GMTマスターII 126710BLNRは定価¥1,747,900に対して実勢約300万円、ペプシの126710BLROは370〜390万円。デイトナ126500LNは定価¥2,499,200に対して2026年8月時点の平均592万7,011円・中央値561万円だ。
この三系統は、相場が天井から下げたことで「中古の狙い目」に見えやすい。ここが2026年最大の罠だと思っている。
たしかにGMTマスターIIは過去2年で約10%、サブマリーナは約12%下がった。だが下がった後でも、GMTのBLNRは定価より125万円、ペプシは192万円から212万円、デイトナは311万円上に乗っている。**10%下がったことは、割安になったことと同じではない。**300万円の時計が270万円になっても、定価が174万円なら、まだ96万円のプレミアムだ。
しかも正規側の扉は閉じている。この三系統の主要品番はすべて1年間の購入制限に指定されており、一本買うと他の指定モデルを1年間買えない。正規で定価購入を狙う道が実質的に塞がれているから、中古の上乗せが維持される。構造として上乗せが残るように出来ているのだ。
**私が勧めないのは、この局面で「下がったから」という理由だけで飛びつく買い方だ。**下落局面で高値掴みをする人は、たいてい相場のグラフを見て買っている。見るべきなのはグラフの形ではなく、定価との差の絶対額だ。311万円の差は、グラフが右肩下がりでも311万円である。
一本だけ持つなら、2026年の答えは二つに絞れる
ロレックスを一本だけ持つなら、という問いには、順位表の上位から素直に答えが出る。デイトジャスト36かエクスプローラー36の二択だ。
分け方は用途ひとつでいい。
**スーツと私服の両方で使うならデイトジャスト36。**フルーテッドベゼルとジュビリーブレスは、日本のビジネスシーンで最も説明の要らない組み合わせだ。文字盤を選べば上乗せ11万円台まで落とせるという価格面の柔軟さもある。
**腕一本で仕事も休日も済ませたいならエクスプローラー36。**100m防水、Cal.3230、3・6・9の視認性。文字盤に余計な情報がないから、時計を見ていることを相手に意識させない。私はこれを「会議で邪魔をしない時計」と呼んでいる。
**一本だけという条件が付くと、判断基準がひとつだけ入れ替わる。「格好いいか」ではなく「月曜から日曜まで違和感なく載るか」だ。**回転ベゼル、24時間針、クロノグラフのプッシャー。二本三本持つなら全部が楽しみになるが、一本しか持たないなら、それは週のどこかで邪魔になる装備でもある。私は若い頃、サブマリーナ一本で通そうとして、結婚式の朝に手首を見て後悔したことが何度もある。
もうひとつ実利の話を書いておく。**一本目を正規店で買っておくと、その後の選択肢が変わる。**購入履歴は全国の正規店で共有されており、次の一本の案内に効く。中古で入って中古で買い続けると、上乗せを払い続ける構造から抜けられない。だから狙い目という観点でも、正規で買える型を一本目に置くこと自体が、狙い目への投資になる。
ロレックス以外まで含めて全体を見比べたいなら、メンズ腕時計の選び方 完全ガイドを地図に使ってほしい。一本だけという条件なら、同じ120万円でオメガやグランドセイコーという答えも十分に成立する。
正規で狙うか、中古で狙うか──2026年のルールを踏まえて
順位表の「正規の現実性」列を、実務レベルまで下ろしておく。
**2026年の購入制限は、こうなっている。**1年間の制限品番はデイトナ126500LN、サブマリーナ124060・126610LN・126610LV、GMTマスターII 126710BLNR・126720VTNR。これらのいずれかを買うと、他の指定モデルを1年間購入できない。それ以外のモデルは原則6か月。制限は買った店だけでなく全国の正規販売店に適用され、顧客情報は正規店間で共有されている。
**決済のルールも押さえておくべきだ。**購入には本人名義のクレジットカードが必要で、現金のみの支払いは原則認められない。カードと現金の併用は可。写真付きの本人確認書類も必須だ。転売対策として設計されたルールだが、初めて正規店に行く人にとっては単純に「準備の話」でもある。
この前提で、狙い方は三つに分かれる。
**第一に、中古で即決すべきモデル。**エアキングだ。定価水準まで中古が落ちているのだから、正規在庫を待つ時間に意味がない。狙うなら状態ランクの見極めに集中すべきで、ギャランティカードの有無と外装仕上げの履歴を確認する。ここは中古ロレックスの買い方に手順を書いた。
**第二に、正規を3〜6か月試すモデル。**エクスプローラー36とデイトジャスト36。上乗せが32万円・11〜37万円ということは、正規で買えれば数十万円が残る。かつ1年制限の指定外だから、身動きも取れる。ただし「通えば必ず買える」ではない。この現実的な確率と時間コストはロレックスマラソンの現実に書いた通りだ。
**第三に、中古以外に道がないモデル。サブマリーナ、GMTマスターII、デイトナ。正規の扉が閉じている以上、選択肢は上乗せを払うかどうかだけになる。ここで私が使っている歯止めは単純な一行だ。「その上乗せ額で、他に何が買えるか」を必ず言葉にする。**デイトナの上乗せ311万円は、エクスプローラー36とデイトジャスト36を両方買って、まだオーバーホール代(正規で¥99,000〜121,000)が20年分残る金額である。それでもデイトナが欲しいなら、それは合理的な判断だ。金額を直視した上での決断は、たいてい後悔しない。
なお、全モデルの性格と序列を一枚で俯瞰したい人はロレックス完全ガイドを先に開いてほしい。この記事は序列の地図ではなく、いまの値札に対する順位表だ。
最後に──相場を待つ時間にも、値段がついている
順位表を作っておいて言うのも矛盾しているが、最後に一つだけ、表に入らないことを書いておきたい。
待つという選択には、値段がついている。
冒頭の相談者は2年待った。その2年でデイトナの定価は32万円上がり、彼が待っていたはずの中古相場は下がりきらなかった。彼が失ったのは差額ではなく、その時計を巻いて過ごした2年だ。私はこれを何度も見てきたし、若い頃の自分も同じことをやった。1990年代、あと少し下がるはずだと言い続けて買わなかった一本が、いまは私の予算では買えない場所にいる。
一方で、値札を直視せずに飛びつく買い方も勧めない。この記事の順位表の役割は、値札を数字に戻すことにある。「相場が10%下がった」という言葉は気分を動かすが、判断材料にはならない。判断材料になるのは「定価との差が311万円ある」という一行だ。前者はグラフの形の話で、後者は自分の口座から出る金額の話である。
2026年9月時点の答えを、もう一度だけ短く置いておく。**上乗せの薄さで選ぶならエアキング。一本で全部を賄うならエクスプローラー36かデイトジャスト36。GMTマスターIIとデイトナは、いま狙う型ではない。**そして──欲しい型がもう決まっているなら、待つ理由は相場の中には無い。
参考資料
- ロレックス公式サイト — 各モデルの正式スペック(ケース径・キャリバー・パワーリザーブ・防水性能)の確認に使用
- JWC ロレックス定価一覧(2026年6月価格改定) — 2026年6月改定後の国内定価(税込)を主要モデル分で突き合わせた一次的な価格表
- おたからや ロレックス相場下落の理由と今後の推移 — ピーク比15〜25%という下落幅、モデル別の下落率、円相場の影響の確認に使用
- ブラリバ ロレックスの購入制限ルール — 1年制限の対象品番、6か月制限、本人名義クレジットカード必須と全国共有の確認に使用
次に読む
- ロレックス GMTマスターII:上乗せ125万円の中身を、モデルとして解剖する
- ロレックス デイトナ:9位に置いた頂点が、なぜそれでも売れ続けるのか
- ロレックスのリセールバリュー:狙い目の裏側、手放すときの数字
- ロレックス エクスプローラー:2位に置いた36mmを、歴史から確かめる
「大人の趣味」では、本物志向の道具と長く付き合う知恵を、専門家5名が綴っています。編集方針はこちら。
よくある質問
- Q. 2026年のロレックスで、いちばんの狙い目モデルはどれですか?
- エアキング(Ref.126900)です。2026年の定価は¥1,208,900で、中古の平均が137万円台・中央値136万円台。状態ランクBの成約では121〜123万円という実例もあり、定価とほぼ同水準で中古が買える唯一級の現行モデルです。デイトナやGMTマスターIIのように定価の2倍前後という上乗せが付いていません。加えて1年間の購入制限品番から外れているため、正規店での購入を狙う場合の身動きも取りやすい。相場の落ち着きという観点では、現行ラインで最も条件が良いモデルです。
- Q. ロレックスは値上がりしたので、相場が下がるまで待つべきですか?
- 待つ理由は薄いと考えています。ロレックスの国内定価は2026年1月と6月に二度改定されており、待つほど定価は上がっています。一方の中古実勢はピーク(2022年春)比で15〜25%低い水準にとどまり、指数ベースでサブマリーナが過去2年で約12%、GMTマスターIIが約10%下落。つまり「定価は上、実勢は横ばいから下」という状態で、両者の差=プレミアムが縮んでいる局面です。相場が戻れば上乗せは再び広がります。欲しい型が決まっているなら、待つメリットよりも待つ間に定価が上がるリスクのほうが大きい。
- Q. ロレックスを一本だけ持つなら、どれを選ぶべきですか?
- 用途で二つに絞れます。スーツと私服の両方で使うならデイトジャスト36(Ref.126200・定価¥1,208,900〜1,241,900)、腕一本で仕事も休日も済ませたいならエクスプローラー36(Ref.124270・¥1,177,000)です。どちらも正規店で定価購入を狙える現実性が残っており、中古の上乗せも11〜37万円程度に収まります。一本しか持たないなら、月曜日から日曜日まで違和感なく載る文字盤とサイズを選ぶこと。回転ベゼルや24時間表示は、二本目以降の楽しみに回すのが合理的です。
- Q. GMTマスターIIやデイトナは、いまが買い時ではないのですか?
- 正規店で狙うなら現実的ではありません。デイトナ126500LN、サブマリーナ126610LN、GMTマスターII 126710BLNRなどは1年間の購入制限品番で、一度買うと他の指定モデルを1年間買えません。中古の実勢はGMTマスターII 126710BLNRが約300万円、ペプシの126710BLROが370〜390万円、デイトナ126500LNが2026年8月時点で中央値561万円。相場が下げても、定価になお125万円から310万円が上乗せされています。一本目に払う額としては勧めません。
- Q. 正規店と中古、2026年はどちらで狙うのが得ですか?
- モデルによって答えが逆になります。エアキングのように中古が定価水準まで落ちているモデルは、待たずに中古で買うほうが合理的です。逆にエクスプローラー36やデイトジャスト36は正規店で出会える現実性が残っているため、3〜6か月は正規を試す価値があります。GMTマスターIIやデイトナは正規がほぼ不可能なので、中古以外の選択肢がありません。なお正規店では本人名義のクレジットカード決済が原則必須で、現金のみの購入は認められず、購入履歴は全国の正規店で共有されます。
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川村 篤志
時計評論家 / コレクター歴30年・機械式時計 所有歴30年・40ブランド以上
機械式時計コレクター。所有歴のあるブランドは40以上、現役で稼働している手持ちは20本前後。雑誌寄稿100本超。「投機ではなく所有」を語る数少ない評論家。
Editor's note
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